建設業許可を取りたいけども・・とご相談は毎日うけます。

ただ、その中でもちゃんと建設業許可を取得できる方というのは40%程度。

どうしようもないケースが半分を超えてしまいます。

何のせいで建設業許可を取得できていないのか、について説明してみたいと思います。

1.最も多いのは経営業務管理責任者がいないということ。

具体的には過去に建設業を少なくとも5年以上経営した人がいないということですね。

従業員として建設業界での経験が長かったが独立してすぐであったり、
個人で工事を請けてこられたが、確定申告を全くやってなかったり、
というご相談が多いです。

基本的には他社で取締役をやっていた方、個人事業をされていた方と一緒にやっていくしか
建設業許可取得ができないので、他の方の力が必要になってしまいます。

ただ、個人で工事を請け負われていた方で、確定申告をしてなかった・・というケースで
あれば、過去5年分はさかのぼって確定申告が可能ですので、それをもって5年間経営してきた
という証拠にすることは可能です。

もちろん、その時期の工事の契約書、注文書、請求書控え等が必要にはなります。

さかのぼって申告する場合であれば税金に延滞税がついたり、結構な税額になってしまう可能性
がありますから、税理士さん等と慎重に進めてください。

2.次に多いのは専任技術者がいないということ。

1.の経営業務管理責任者とともに専任技術者というのが建設業許可には絶対に必要です。

種類によりますが、施工管理技士、技能検定のような資格を持っているというのが
一番やりやすいです。が、

特に何も資格を持っていない、という場合は最長で10年間の実務経験を証明できれば
専任技術者になることができるんです。

問題はその証明をどうやってやるのか、ということ。

独立前の会社が倒産してしまって証明がもらえない、けんか別れしているのでハンコを
押してもらえない、自分でやっていたが証拠がない、など様々な理由で証明をもらえない
ということがあります。

また、都道府県によって証明をどのようにすればOKになるのかの基準が違います。

例えばある県では、過去に在籍していたのが社会保険関係で分かればそれでいい、
というのが、違う県では在籍していた会社の印鑑は絶対に必要というところとか
バラバラです。

県境を超えて違う都道府県の建設業許可を取得する方がやりやすいということも
十分あり得ます。

3.資産要件を満たせない

さきほどの2点がクリアできればほぼ大丈夫なことが多いのですが、
たまにこの資産要件に引っかかるケースがあります。

建設業許可では一般と特定という2種類のものがあるんですが、たいていの業者さんは
一般の建設業許可を取得されます。

※特定は資産要件が跳ね上がります。

一般の場合、500万円以上の資金調達能力がある、ということが条件になり、
その証明として直近決算書を見せるか、残高証明書を取ってくるということになります。

残高証明書の場合は直近であれば大丈夫で、取引先から入金されたタイミングで
取得しても全く問題ないのですが、500万円をどうしても超えない、と言われる
ことがあります。

こればかりは決まっていることですので、どうにかして1日でもいいので500万円を
超えるように預金をしていただき残高証明書を取ってもらうしかありません。

500万円以上の残高証明書さえあれば済みますので、借りてきたものであろうが、
何でも構いません。

4.欠格要件に該当してしまっている。

上の3つをすべてクリアできていても、欠格要件に該当してしまうと建設業許可を
取得できません。

例えば、取締役の方や個人事業主さんが禁固刑以上の刑を受けて5年以上経過していない、
刑の執行猶予中である、傷害などの刑法に触れて罰金刑を受けて5年以上経過していない、
破産している、成年後見の被後見人になっている、暴力団関係者である、

などに当てはまってしまうと許可が受けられません。

ここでの注意ですが、あくまで取締役、個人事業主が、ということです。

従業員さんであれば構いません
(暴力団関係者であればまずいですが・・)

1.の経営業務管理責任者になれる人が該当してしまうとどうしようもないですが、
2.の専任技術者であれば従業員でも大丈夫ですので、建設業許可を取得できる
可能性がありますね。

 

いろんなケースでパズルのようになりますので、複雑であれば是非ご相談いただければ
と思います。