建設業許可のうち熱絶縁工事業を取得したい方へ
熱絶縁工事とは、名前の通りですが、工作物または工作物の設備を
熱絶縁する工事のことをいいます。
具体的な工事の事例としては、冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、
動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹き付け断熱工事
などがあります。
欲しい資格者は?
経営業務管理責任者の条件を満たしている方が
おられるという前提があればですが、
熱絶縁工事業の場合は下記の資格者がいる場合、
建設業許可を取得することは可能になります。
下記の資格があれば熱絶縁工事業の専任技術者に
なることができるからです。
※ちなみに、熱絶縁工事業で経営業務管理責任者の条件を満たすのは、
熱絶縁工事業を5年以上経営していたか、熱絶縁工事業以外の
建設業を6年以上経営していたか、というのが基本になります。
該当する資格は
1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士(仕上げ)
技能検定の1級熱絶縁施工
技能検定の2級熱絶縁施工+合格後3年以上の実務経験
です。
これらのうち、1級建築施工管理技士であれば
特定建設業許可の専任技術者になることもできます。
※元請で受注して、なおかつ下請に対して総額4000万円以上の工事を発注する場合には
特定建設業許可が必要になります。(金額は税込みです。)
また、2級建築施工管理技士については、建築、躯体、仕上げというそれぞれ3種類に
分かれていますが、このうちの仕上げでなければ熱絶縁工事業の
専任技術者にはなることができません。
※2級建築施工管理技士の合格証は、特に何も書いていなければ『建築』で、躯体、仕上げの場合は、
カッコ書きで明記されています。
資格がない場合でも熱絶縁工事業の許可が取得できるのか?
上記の資格の場合と同様で、経営業務管理責任者という条件を
満たしている方がおられるという前提ですが、
基本的には10年以上の実務経験を積んでいる場合、資格の代わりとなりますので、
熱絶縁工事業の建設業許可取得が可能になります。
さらに、学歴によって10年が5年や3年に短縮もされます。
土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地または造園に関する学科を含む)、
建築学または機械工学、に関する学科を卒業されている場合、
高校であれば5年、大学であれば3年の実務経験で済むことになります。
※専門学校卒業の場合も認められています。
高度専門士、専門士の称号をお持ちの場合は大卒と同じ扱いになり、
それ以外の専門学校修了の場合は高卒相当となりました。
熱絶縁工事業の建設業許可を取得したい人からよくある質問
Q.自社での経験を証明する場合にはどんな書類が必要ですか?
またその場合はどの程度の件数が必要ですか?
A.注文書や契約書があればいいのですが、無い場合は請求書の控えと
それに対応する入金額が分かる通帳というのが、たいていどこの都道府県でも言われることです。
どれだけの件数を揃えなければならないか、都道府県によってかなり違ってきます。
例えば、大阪府の場合は工事と工事の間隔が1年以上開かないようにする、兵庫県、奈良県は
季節あたり1件ずつ程度、京都府は1年に1件ずつ、
東京都は毎月ずっと携わっていることが分かるように、埼玉県も同様、
神奈川県、千葉県は1年に1件ずつ、となっています。
Q.他社での実務経験があるのですが、ハンコをもらえそうにありません。
どうしたらいいですか?
A.都道府県によって扱いが違います。大阪の場合は実印が基本ですので、
ハンコがないのは無理となります。
一方、東京の場合は過去に年金記録で会社に在籍していたことが分かれば、
印鑑をもらえなくても大丈夫です。
Q.熱絶縁工事の許可を持っている場合、他の工事が含まれていても
問題ないのですか?
A.熱絶縁工事を請け負ったとしても、例えば同じ工事でついでに他の業種である、
管工事、電気工事なんかもついでにされるケースは当然あると思います。
ついでに他の業種の工事を請け負うことは、建設業法上なんら問題ありません。
ただし、複数工事が含まれた工事の場合、熱絶縁工事の内訳が一番金額が多い
というのが基本になります。
例えば、熱絶縁工事300万円、管工事200万円、電気工事150万円の
合計650万円の工事を請け負った場合、メインとしては熱絶縁工事と考えられますから、
合計650万円の熱絶縁工事を請け負ったと考えて問題ありません。
この場合は、熱絶縁工事業の建設業許可が必要になり、管工事や電気工事の
建設業許可があっても熱絶縁工事業の建設業許可がないと建設業法違反になってしまいます。
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