建設業許可の更新の際に気を付けることを解説
・建設業許可の有効期限は5年間
・5年間ちゃんと毎年届出はしてましたか?
・引き続き許可を維持したい場合は更新の許可申請が必要
・許可更新の申請ができるのは期限の2,3か月前から
・1日でも切れてしまうと・・
建設業許可は一度取るとずっと有効という訳ではありません。
引き続き許可が欲しい場合は5年おきに更新の許可申請をしなければなりません。
意外と落とし穴がある建設業許可更新のことについてこちらでは解説していきます。
目次
1.建設業許可の有効期限は5年間
2.更新の申請はいつまでにすればいいの?
3.いつから更新の申請を受理してもらえるの?
4.この5年以内に別の業種の建設業許可を追加したけど・・
5.逆に更新のタイミングで一緒に業種を増やすことってできるの?
6.この5年間一切の届け出はしてないけど
初めて建設業許可を取得したときに、建設業許可通知書というのが届きます。
その通知書に書かれてある通り許可の有効期限は5年間となります。
ちょうど許可日から5年後の前日ということで書かれていますね。(下の画像のうち、上の方の赤線部分です。)
そしてよく質問を受ける部分が上の画像で言うと、下の赤線部分
許可が切れる前の1か月前が更新の書類提出期限と書いてあります。
こんなこと書かれてたら、過ぎてしまったらもうダメと思いますよね。
でも実際は安心してください。まだ大丈夫です。
この写真の例でいくと、令和6年7月30日を過ぎてからでも更新手続きは可能です。
特に何もなかったかのように書類は受け付けてもらえます。
県によっては厳しい対応に出るところがあるのかもしれませんが、少なくとも近畿圏、関東圏では聞いたことはありません。
始末書とかも不要です。
上の例でいけば8月29日までにちゃんと受理してもらえるように提出すれば更新できます。
例えば申請がギリギリすぎると、令和6年8月30日にはまだ更新した許可の通知書が届いていないこともあるかと思います。
これもご安心ください。その場合であっても建設業許可が空白で切れているわけではありません。
たとえ不許可の通知が来るとしても、その通知が来るまでは建設業許可があるとみなされます。
ですから、更新の許可はとにかく有効期限の最終日まではあきらめずに提出するようにしてください。
ただこれが気付くのが遅れて令和6年8月30日に提出しようとした場合、一切受け付けてもらえません。(大規模災害などがあった場合は救済もあると思いますが。。)
その場合は再度新規で建設業許可を申請しなおすしかありません。
一度取得されていますので、新規とはいえ申請はしやすいことが多いと思いますが、こういった場合は新規の建設業許可が下りるまでは許可を持っていないということになります。
新規ですから500万円以上の残高証明書なども必要になります。
で、許可番号も変わってしまいますね。
せっかく金看板に番号を書いて飾ってたのに、名刺にも書いてたのに・・となってしまいます。
また県によっては過去に提出した資料を再度チェックする場合もあります。
更新忘れに対しては当然ですが非常にデメリットが多いですね。
あと、ミスしてしまいがちなのは許可の最終期限日が土日祝日などで役所がお休みの場合。
この場合も一切受け付けてもらえません。
有効期限内の最後の平日が申請期限となりますのでこれもご注意ください。
上記のように更新忘れが怖い、、となるとできるだけ早めに申請しておきたいというのが普通に考えることですよね。
申請自体は知事許可の場合は有効期限の90日前から、国土交通大臣許可の場合は6か月前から可能というのが通常の日程です。
ただし、東京都などは60日前からでなければダメなど独自ルールを設けているところもありますのでご注意ください。
早めに申請したからといっても許可期限は短くなってしまうわけではありません。
上記写真の例でいけば次の有効期間は令和6年8月30日から令和11年8月29日になります。
許可を受けた後に、別の業種の許可を取ることが可能です。
業種追加というのですが、この場合は新しく許可通知書が届きますので、同じ会社が2枚の通知書を持っていることになります。
上の画像のような形で別々のものがあるのですが、会社名と許可番号は同じですが、それ以外が違うような状態ですね。
この場合は、業種追加をしたものが日程が別になりますから、そのままにしておくと日程の把握が非常に煩雑になりますよね。
上記の例でいくと、1枚目の通知書(とび・土工工事業)の更新日が平成35年ですから令和5年6月14日が期限になります。
しかし、追加した分(電気工事業、管工事業)は令和6年5月29日まで有効期限があるわけです。
となると、このままでいくと令和5年、令和6年と立て続けに更新をしないといけないことになります。
許可の更新手数料も5万円かかりますから、別期限のままにしておくとその都度5万円かかることになります。
これを防ぐために、許可の一本化をすることができます。
今回更新する許可に合わせて、まだ有効期間がたっぷり残った許可も一緒に更新してしまえるのです。
そうすることで、有効期限の管理はしやすくなり、5年ごとに支払う手数料5万円も一回で済むということになります。
5.逆に更新のタイミングで一緒に業種を増やすことってできるの?
例えば、内装の建設業許可しか持ってなかったという場合に更新のタイミングで塗装工事も追加したい、といったケースです。
都道府県知事許可の場合は、有効期限1か月前までであれば大丈夫、という場所が多いですが、神奈川のように3か月ないとだめという地域もありますのでご注意ください。
国土交通大臣許可の場合は有効期限6か月前までに更新と業種の追加の申請を同時にしなければなりません。
そうすると、更新許可と業種の追加の許可が同時におりてくることになります。
ただし、申請の手数料は更新、業種追加のそれぞれ5万円が必要になりますので、10万円必要になります。
次回の5年後の更新からは更新が5万円で済むわけですね。
6.忘れがちなのが、5年前に許可を受けてから一切の届け出をしてなかった場合
建設業許可を更新するためには5年間での変更届などが必須になります。
取締役、営業所所在地、経営業務の管理責任者、専任技術者などに変更があった場合はもちろんですが、資本金の増資等も届け出る必要があります。
じゃ、そういうものに変更がなかったから大丈夫、と思われる方もいらっしゃるのですが、建設業許可業者には毎年、決算変更届(事業年度終了届)を提出する必要があるのです。
ですから、許可を受けた後に5年分提出した上でなければ建設業許可の更新申請をすることができません。
もし一切出していない場合は、過去の5年分まとめてでも提出する必要があります。
決算変更届は、各年度ごとの1年間の代表的な工事の経歴書、財務諸表、納税証明書などを添付しなければなりません。
もしぎりぎりになってしまった場合これらも同時の提出になりますから、相当大変な手続きになってしまいます。
また複数年まとめて提出する場合には行政に呼び出しを食らう場合もあります。
(法律上は決算期が終了してから4か月以内に提出義務がありますので。) 毎年提出しておきましょう。
以上何かと更新許可にもポイントとなることがありますし、最悪建設業許可を失うこともあり得ますので、1回取れたからと安心しないようにしてください。
意外に更新だけでもいろいろと気を使うところがありますので、期日の管理はきっちりとして余裕をもって申請するようにしましょう。