建設業許可の大臣許可と知事許可の違い
建設業許可を取る際に、混乱されることが多いのが知事許可と大臣許可の違い。
「どっちを取ったらいいの?」
とか
「どうせなら大臣許可がとりたい」
とか言われることがあるので、簡単に解説しておきます。
そもそもどちらかを希望して取得するというのではなく、建設業を営業する事務所の状況によって自動的に決まります。
状況で決まるだけですから、どちらが上とか、そういうことも全くありません。※なんとなくイメージで大臣許可の方が凄そう・・と思われてしまいますが。
目次
1.大臣許可が必要なときとは?
2.建設現場はどこでもいいの?
3.知事許可から大臣許可へ
1.大臣許可が必要なときとは?
国土交通大臣許可を取得しなければならないのは、建設業を営業する事務所が複数あって、なおかつ2以上の都道府県にまたがっている場合となります。
ですから、東京と大阪の二か所で営業所を構えてそれぞれで建設業を営業する場合はもちろんですし、本社が東京都世田谷区、営業所が神奈川県川崎市、となると距離が離れていなくても県境をまたぐ場合は国土交通大臣許可が必要になるわけです。
それ以外の場合は知事許可になります。
さらに、仮に営業所が複数あったとしても建設業については本店でしか営業しない、ということであれば知事許可でも問題ないです。
ですから、大半の建設業者さんは営業所は本店のみですから、その所在地のある都道府県知事許可を取得することになりますね。
複数の営業所があったとしても、本店が大阪市、堺市に営業所、といった場合は同じ大阪府内に営業所がありますから大阪府知事許可となるわけです。
2.建設現場はどこでもいいの?
あと、よく心配される質問があるのですが、「現場が日本全国にあるのですが大丈夫ですか?」というもの。
建設業の営業というのが分かりにくいですが、・商談したり、・見積したり、・契約したり、というのがあてはまるので、そういった行為は建設業の許可を取った営業所でないとできないということになりますが、建設現場に関しては日本国内のどこでやっても全く問題ありません。
ちなみに、許可取得に関しては知事許可の方が圧倒的にスピードは早く、知事許可では県によって違いますが、申請受理後30日から45日程度で許可がおります。
大臣許可に関しては申請受理後120日というのが処理期間として定められています。
実際にはそれほどかかることは少ないですが、それでも早くても2か月、通常は3か月程度見ておいてもらうのがいいかなと思います。
3.知事許可から大臣許可へ
次に説明しておいた方がいいなと思ったのが知事許可から大臣許可や、それとは逆に大臣許可から知事許可へ変更する場合のことです。
会社が成長してきて他県に営業所を出すので知事許可から大臣許可にしたい、という希望をされることが多いケースなのですが、知事許可から大臣許可へ変更手続きだけでさっと済ませることはできないんです。
このケースは許可換え新規といって、あくまで新規扱いとなってしまい、知事許可を持っていたとしてもあらためて大臣許可を新規で申請しなければなりません。
費用も新規申請として発生しますし、書類についてもいくら知事許可で認められていたとしても国土交通省が要求する証拠書類等を再度提出しなければなりません。
※申請してから大臣許可がおりるまでは知事許可は有効ですので従来の営業所での建設業の営業はもちろん問題なくできます。
元ページ:建設業許可を取得する条件について
参考ページ:一般建設業許可と特定建設業許可のちがいとは?