建設業許可のうちタイル・れんが・ブロック工事業を取得したい方へ
タイル・れんが・ブロック工事とは、れんが、コンクリートブロック等により
工作物を築造し、又は工作物にレンガ、コンクリートブロック、タイル等を取り付けたり
はり付けたりする工事のことをいいます。
具体的には、コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、
タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事、サイディング工事などですね。
タイル張りとかは非常に分かりやすいですが、スレート張りについてはちょっと
他の工事との区別が紛らわしくなります。
同じスレート張りの工事でも、外壁等に張る工事であれば、タイル・れんが・ブロック工事
となりますが、屋根に張るのであれば屋根工事に該当します。
また、とび・土工・コンクリート工事や石工事とも紛らわしいところがあります。
とび・土工・コンクリート工事における『コンクリートブロック据え付け工事』と
石工事やタイル・れんが・ブロック工事におけるコンクリートブロック積み(張り)工事の
違いについて説明しておきます。
まずとび・土工・コンクリート工事の場合:根固めブロック、消波ブロックの据付け等、
土木工事において規模の大きいコンクリートブロックの据付けを行う工事、
プレキャストコンクリートの柱、梁などの部材を設置する工事が該当します。
次に石工事の場合:建築物の内外装として擬石等をはり付ける工事や法面処理、または擁壁として
コンクリートブロックを積んだり、はり付けたりする工事が石工事における
『コンクリートブロック積み(張り)工事となります。
最後にタイル・れんが・ブロック工事の場合:コンクリートブロックにより
建築物を建設する工事が該当します。
塀などのエクステリア工事として行なう場合も含まれますので、外構工事として
とび・土工・コンクリート工事と勘違いしないようにしなければなりませんね。
※上記のコンクリートブロックにはプレキャストコンクリートパネルやオートクレイブ養生
をした軽量気泡コンクリートパネルも含まれます。
欲しい資格者は?
経営業務管理責任者の条件を満たしている方が
おられるという前提があればですが、
タイル・れんが・ブロック工事業の場合は下記の資格者がいる場合、
許可を取得することは可能になります。
下記の資格があればタイル・れんが・ブロック工事業の専任技術者に
なることができるからです。
※ちなみに、タイル・れんが・ブロック工事業で経営業務管理責任者の条件を満たすのは、
タイル・れんが・ブロック工事業を5年以上経営していたか、タイル・れんが・ブロック工事業以外の
建設業を6年以上経営していたか、というのが基本になります。
該当する資格は
1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士(躯体または仕上げ)
1級建築士
2級建築士
技能検定の1級タイル張り・タイル張り工
技能検定の2級タイル張り・タイル張り工+合格後3年以上の実務経験
技能検定の1級築炉・築炉工・れんが積み
技能検定の2級築炉・築炉工・れんが積み+合格後3年以上の実務経験
技能検定の1級ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工
技能検定の2級ブロック建築・ブロック建築工・コンクリート積みブロック施工+合格後3年間の実務経験
です。
これらのうち、1級建築施工管理技士、1級建築士のいずれかで
あれば特定建設業許可の専任技術者になることもできます。
※元請で受注して、なおかつ下請に対して総額4000万円以上の工事を発注する場合には
特定建設業許可が必要になります。(金額は税込みです。)
資格がない場合でもタイル・れんが・ブロック工事業の許可が取得できるのか?
上記の資格の場合と同様で、経営業務管理責任者という条件を
満たしている方がおられるという前提ですが、
基本的には10年以上の実務経験を積んでいる場合、資格の代わりとなりますので、
タイル・れんが・ブロック工事業の許可取得が可能になります。
さらに、学歴によって10年が5年や3年に短縮もされます。
土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。)
または建築学に関する学科を卒業されている場合、
高校であれば5年、大学であれば3年の実務経験で済むことになります。
※専門学校卒業の場合も認められています。
高度専門士、専門士の称号をお持ちの場合は大卒と同じ扱いになり、
それ以外の専門学校修了の場合は高卒相当となりました。
タイル・れんが・ブロック工事については自社でずっと経験してきたということで
証明するケースが多いのですが
その場合は、たいていの都道府県庁などから要求される証拠としては、過去の契約書、
注文書、または請求書控えとその入金が分かる通帳など、となります。
1年に1件ずつでいい県、10年分以上毎月に渡って必要になる県、いろいろですから、
本店がどの都道府県に所在しているかでも結構難易度が変わってきます。
タイル・れんが・ブロック工事業の建設業許可を取得したい人からよくある質問
Q.自社での経験を証明する場合にはどんな書類が必要ですか?
またその場合はどの程度の件数が必要ですか?
A.注文書や契約書があればいいのですが、無い場合は請求書の控えと
それに対応する入金額が分かる通帳というのが、たいていどこの都道府県でも言われることです。
どれだけの件数を揃えなければならないか、都道府県によってかなり違ってきます。
例えば、大阪府の場合は工事と工事の間隔が1年以上開かないようにする、兵庫県、奈良県は
季節あたり1件ずつ程度、京都府は1年に1件ずつ、
東京都は毎月ずっと携わっていることが分かるように、埼玉県も同様、
神奈川県、千葉県は1年に1件ずつ、となっています。
Q.他社での実務経験があるのですが、ハンコをもらえそうにありません。
どうしたらいいですか?
A.都道府県によって扱いが違います。大阪の場合は実印が基本ですので、
ハンコがないのは無理となります。
一方、東京の場合は過去に年金記録で会社に在籍していたことが分かれば、
印鑑をもらえなくても大丈夫です。
Q.タイル・れんが・ブロック工事の許可を持っている場合、他の工事が含まれていても
問題ないのですか?
A.タイル・れんが・ブロック工事だけを請け負ったとしても、例えばついでに他の業種である、
塗装工事やとび土工工事なんかもついでにされるケースは当然あると思います。
ついでに他の業種の工事を請け負うことは、建設業法上なんら問題ありません。
ただし、複数工事が含まれた工事の場合、タイル・れんが・ブロック工事の内訳が一番金額が多い
というのが基本になります。
例えば、タイル・れんが・ブロック工事300万円、とび土工工事200万円、塗装工事150万円の
合計650万円の工事を請け負った場合、メインとしてはタイル・れんが・ブロック工事と考えられますから、
合計650万円のタイル・れんが・ブロック工事を請け負ったと考えて問題ありません。
この場合は、タイル・れんが・ブロック工事業の許可が必要になり、塗装工事やとび土工工事の
許可があってもタイル・れんが・ブロック工事業の許可がないと建設業法違反になってしまいます。
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