東京の方からでしたが、自己破産した場合に建設業許可を取得できるのかと
ご相談をいただきました。

この方は、以前会社を経営していて、建設業許可も取得していたとのことですが
2年前に自己破産し、ようやく再起できそうだということで仕事を少しずつ再開、
そして再度建設業許可を取得したいということです。

これは本当によくある質問なんです。

結果的に言うと問題ありません。

ご相談者はすでに免責されており、法律上は自己破産は完全に過去のものになっています。

銀行借り入れや、ローン、クレジットカードなどは今でも使えないと思います。

いわゆるブラックリストに載ってしまっているからです。

ブラックリストには破産してからも4年間は載っているとか聞きますが、あくまでそれは
民間の話であって、法律上は破産した過去があっても免責されていれば全く問題ありません。

しかも、破産している方が建設業の許可を取ることはできませんが、取締役や
個人事業主等にはなれないということであるので、従業員として働くことであれば
これも全く問題ありません。

 

ですから、破産していたとしても例えば奥さんが過去の会社で一緒にずっと取締役に
就任されていたということであれば、奥さんを代表にして、元社長の旦那さんを
従業員として専任技術者などにしておけば建設業許可を取得できることになりますね。

実際にそうやって許可を取得し直したということもあります。

恐らく問題になるのは破産したことというよりも以前に許可を持っていたときの資料や
実績を証明するための資料がなくなっているということになると思います。

破産手続きなどをされる際、当然だと思いますが再起することのことなど考える
ことができないと思います。

そうなると、資料の一切を弁護士事務所に預けて、破産手続きが終わったら全て
廃棄されるというのが通常だと思います。

ということは、過去の建設業許可を持っていたという証拠が残らなくなります。

東京都であれば過去に経営していたということで実績は残っていますが、
資格などがなければ実務経験をどうやって積んできたかなどについては
他府県の場合、認めてもらえないことが多いです。

仮に建設業許可を過去に取得していた場合であれば、都道府県庁などの行政に
データは残っています。

それをもとに許可を再度取得することは可能かもしれません。

もっとどうしようもないのは過去に経験をずっと積んでいるが建設業許可は
取得していなかったケースですね。

その場合は当然ながら行政庁は何の情報も持っていませんから、申請される方の
手持ち資料がすべてということになります。

ここで言う資料としてはたいてい過去の決算書・確定申告書、注文書、契約書、
請求書の控え、などになります。

先ほど書いたように弁護士事務所にそれらのすべてを預かって破産手続きをして
破産手続き終了後は返却を受けずに破棄されることがほとんどです。

そうなってしまえば結局何の証拠も残っていないことになってしまいます。

実際は過去に建設業を許可がないながらもずっとやってきたにもかかわらず
証明ができずに建設業許可が取得できない、ということはかなりよくあります。

是非資料としてはコピーでもいいので残しておいていただきたいものです。

建設業許可が取れない欠格要件についての詳しい解説はこちら

東京の建設業許可の特徴について