建設業許可のうち大工工事業を取得したい方へ
大工工事業とは、木材の加工又は取り付けにより工作物を築造し、または工作物に
木製設備を取り付ける工事になります。
例としては、大工工事、型枠工事、造作工事などが挙げられます。
大工という名前から想像しやすいとは思いますが、木材加工やその取付が当たるわけですが、
型枠工事なんかも大工工事になります。
型枠工事というのは、ベニヤ板などで基礎の型を組んで、そこにコンクリートを流し込むことで
コンクリート基礎を作る工事を言います。
コンクリート基礎を作る工事ですから、とび土工工事業ともかなり密接でどちらの工事業種でも
おそらくできることでしょう。
実際に、資格からすると密接なことを物語っているのです、が
技能検定という資格のうち『型枠施工』というものがあるのですが、従来は『とび土工工事業』の
資格として認められていました。
それが、平成27年4月1日から大工工事業の資格者としても認められるようになったのです。
ただ、過去の実績で証拠書類として注文書や契約書などを提示する場合に、基礎工事
とだけ書かれているようであればとび土工工事業に分類されてしまうと思います。
この場合は、型枠工事を実際やっていたのかどうかなど、見積書や、図面の詳細などで
さらに証拠を提示する必要があるでしょう。
これらの場合、どこの都道府県で申請するのか、どこまでの書類があるのか
結構違いがありますので、具体的にはお聞きいただければというところです。
欲しい資格者は?
経営業務管理責任者の条件を満たしている方が
おられるという前提があればですが、
大工工事業の場合は下記の資格者がいる場合、許可を取得することは可能になります。
下記の資格があれば大工工事業の専任技術者になることができるからです。
該当する資格は
1級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士(躯体)
2級建築施工管理技士(仕上げ)
1級建築士
2級建築士
木造建築士
技能検定の『1級建築大工』
技能検定の『2級建築大工』+合格後3年間の実務経験
技能検定の『1級型枠施工』
技能検定の『2級型枠施工』+合格後3年間の実務経験
です。
これらのうち、1級建築施工管理技士、1級建築士のいずれかであれば
特定建設業許可の専任技術者になることもできます。
※元請で受注して、なおかつ下請に対して総額4000万円以上の工事を発注する場合には
特定建設業許可が必要になります。(金額は税込みです。)
また、2級建築施工管理技士ですが、建築、躯体、仕上げという3種類に
分かれていますが、このうちの躯体または仕上げでなければ大工工事業の専任技術者にはなることができません。
※2級建築施工管理技士の合格証ですが、特に何も書いていなければですが、『建築』です。
躯体、仕上げの場合は、カッコ書きで明記されています。
資格がない場合でも大工工事業の許可が取得できるのか?
上記の資格の場合と同様で、経営業務管理責任者という条件を
満たしている方がおられるという前提ですが、
基本的には10年以上の実務経験を積んでいる場合、資格の代わりとなりますので、
大工工事業の許可取得が可能になります。
さらに、学歴によって10年が5年や3年に短縮もされます。
建築学や都市工学に関する学科を卒業されている場合、
高校であれば5年、大学であれば3年の実務経験で済むことになります。
※専門学校卒業の場合も認められています。
高度専門士、専門士の称号をお持ちの場合は大卒と同じ扱いになり、
それ以外の専門学校修了の場合は高卒相当となりました。
大工工事の場合は自社で経験していたということで証明されるケースが多いと思います。
たたき上げの職人さんが独立してずっと経営されてきたケースが多いので。
となると、たいてい都道府県庁などから要求される証拠としては、過去の契約書、
注文書、または請求書控えとその入金が分かる通帳など、となります。
1年に1件ずつでいい県、10年分以上毎月に渡って必要になる県、いろいろですから、
本店がどの都道府県に所在しているかでも結構難易度が変わってきます。
大工工事業の建設業許可を取得したい人からよくある質問
Q.自社での経験を証明する場合にはどんな書類が必要ですか?
またその場合はどの程度の件数が必要ですか?
A.注文書や契約書があればいいのですが、無い場合は請求書の控えと
それに対応する入金額が分かる通帳というのが、たいていどこの都道府県でも言われることです。
どれだけの件数を揃えなければならないか、都道府県によってかなり違ってきます。
例えば、大阪府の場合は工事と工事の間隔が1年以上開かないようにする、兵庫県、奈良県は
季節あたり1件ずつ程度、京都府は1年に1件ずつ、
東京都は毎月ずっと携わっていることが分かるように、埼玉県も同様、
神奈川県、千葉県は1年に1件ずつ、となっています。
Q.他社での実務経験があるのですが、ハンコをもらえそうにありません。
どうしたらいいですか?
A.都道府県によって扱いが違います。大阪の場合は実印が基本ですので、
ハンコがないのは無理となります。
一方、東京の場合は過去に年金記録で会社に在籍していたことが分かれば、
印鑑をもらえなくても大丈夫です。
Q.大工工事の許可を持っている場合、他の工事が含まれていても問題ないのですか?
A.大工工事だけを請け負ったとしても、ついでに内装工事や、管工事などもされるケースは
当然あると思います。
ついでに他の業種の工事を請け負うことは、建設業法上問題ありません。
ただし、複数工事が含まれた工事の場合、大工工事の内訳が一番金額が多い
というのが基本になります。
例えば、大工工事300万円、内装工事200万円、管工事100万円の合計600万円
の工事を請け負った場合、メインとしては大工工事が考えられますから、合計600万円の大工工事を
請け負ったと考えて問題ありません。
この場合は、大工工事業の許可が必要になり、内装工事や管工事の許可があっても
大工工事業の許可がないと建設業法違反になってしまいます。
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